DOCTOR-NISHINOMIYA-KITAGUCHI

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院長ブログ(西宮北口院)

法令線の対策について

法令線は加齢によって目立つ部位の一つです。かなり以前はフェイスリフトで横方向に頬の皮膚を引っ張るとこれがきれいになるので、フェイスリフトが一番いい方法とされていました。でも5-6年くらい前から国際美容外科学会などで、この方法に対する批判がかなり出てきました。法令線はきれいになるが、横方向に引っ張って法令線を消しているので、小鼻が広くなる方が多いということがわかってきたわけです。そういう理由で、現在は世界的にフェイスリフトは口角の下側のたるみやしわに対しては有効でも法令線をフェイスリフトで解決しないほうがいいという考えが主流になっています。 では他にはどういう方法があるかというと、法令線直下に人工骨、シリコンなどを入れる、ヒアルロン酸やレディエッセなどの吸収性の物質の注入、あるいは生着した脂肪がずっと残るという特徴のある脂肪注入などが行われるようになっています。参考までにどの部位にも成長因子やPRPと成長因子などは絶対に入れないでください。しこり、痛み、かゆみ、凹凸、変色、膨らみすぎなどの異常な問題が多発していて、この修正ができないというとんでもないことになっています。なぜこのような危険な方法を行うクリニックがあるのか不思議なのですが、この方法は脂肪注入などの技術を持たない医師であっても簡単に注射はできるので、直美などの問題を考えれば納得できることなのかもしれません。また人工骨やシリコンは法令線を持ち上げる効果はかなり大きいわけですが、若い間は皮膚に厚みがあるのでいいのですが、将来歳を取ると皮膚が薄くなってきますので、この頃にシリコンや人工骨の段差が目立ってきて、これを除去したり、修正を希望される方が最近多いように思います。特に人工骨は自分の骨と結合してしまうので、この除去というのが簡単ではありません。そういう理由で、現状ではヒアルロン酸、レディエッセなどの吸収性の物質の注入と、脂肪注入が一番安全と考えられているように思います。
 ただ皮膚を持ち上げる効果の点では私は脂肪注入のほうがはるかに有利と思っています。顔の皮膚にはあちこちにじん帯がついていて、骨から皮膚の表面近くまで木の根っこのようにじん帯という組織が伸びていて、これによって顔の皮膚が直下に脂肪があってもずり落ちない構造になっています。このじん帯の引っ張り強度に強弱があるわけです。実際に法令線にもこの組織があって、じん帯による引っ張りのために皮膚がふくれにくい部分があるわけです。ヒアルロン酸やレディエッセ、あるいは脂肪の注入をしているととても狭い範囲なのですが、ふくれにくい部分があるのがわかります。脂肪注入の場合は注入針がすこしだけ太いので、この抵抗するじん帯部分を注入針ですこしだけ緩めることで皮膚がさらにふくれやすい状態を作ることができます。こういう操作をしながら脂肪の注入をするのが最も効果のある対策ということになります。ヒアルロン酸やレディエッセなどの場合は、針がかなり細いので、じん帯を緩める処理ができませんので、皮膚を膨らませる効果は脂肪注入より少し低くなるという問題があります。

 脂肪注入は一応手術なのですが、翌日には化粧も入浴も洗顔も可能になり、抜糸などもありませんので、効果の持続という点も有利だと思います。