DOCTOR-NISHINOMIYA-KITAGUCHI

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院長ブログ(西宮北口院)

順天堂大学医学部をほめたたえる。

日本の大学の医学部教授についてずっと考えていたことがあります。特に私自身は形成外科、美容外科で多くの手術をしてきた人間なので、大学の教授はどうあるべきかということがずっと頭の中にありました。

 大学の教授というのはその医局員にあれこれ指導をしなければならない立場になります。外科系の教授ということになると、一般の方は教授だから手術がかなり上手なのだろうと思ってしまいますよね。ところがです。少なくとも日本の外科系の教授はどの大学であっても手術があまり上手くないという方もおられるわけです。

 これはどの大学であっても教授選の際は、立候補したそれぞれの医師が一流医学誌にどれだけの論文が審査を経て掲載されているかということが判断の材料になっているという問題があるからです。つまり手術の上手下手は全く採点されていないのです。これってこわくないですか?

 実際に京都大学でも、以前脳外科にも、心臓外科にも手術のあまりお上手でない教授がおられたことがあります。これってとても怖いことなのですよ、ここだけの話ですが、、、。

 たとえばアメリカでは形成外科に限って話をすれば、どの大学の教授もみなさんとても手術が上手なのです。つまり大学の教授になるためには評価の高い論文をいくつ書いているかということ以外に、手術が上手か否かという点も採点基準になっているわけです。アメリカでは、どの大学でも外科系の教授になるにはどれだけの患者さんを集めてくれるかという評判も重要な評価になっています。

 アメリカの形成外科教授の勤務先が変わるということはよくあることで、これは要するに手術の上手な教授をより高額の給与で引き抜く

ということがあるからです。手術が上手で世間の評価の高い教授ならそれだけ多数の患者さんが集まり大学病院としてはその分収入が上がることになります。そういう理由で、アメリカの形成外科の教授の給与は、日本の大学形成外科の教授の給与のほぼ10−20倍くらいになっているように思います。これもここだけの話ですが、、。

 日本もこの方向に進むべきだなあとずっと思っていました。私が一度も大学の教授選に立候補をしたことがないのは、日本の形成外科教授の給与レベルを知っていたからというのも理由の一つです。アメリカに比べると本当に名誉職であるだけで、日本の大学教授になってもなあ、、、とずっと思っていたというところがあります。わかっていただけますか?

 そういうことをずっと今まで思ってきたのですが、最近順天堂大学医学部が外科系の教授になるためには手術が上手かどうかという採点項目を入れたというニュースを読みました。これって本当によくやったって思います。患者さんにとっても大学の医局員にとっても素晴らしい話です。この先には教授の給与も高くなって、医師になれば大学教授になりたいという人も増えてくると思います。そうなると教授になるための激しい競争が生まれ、将来は本当に優秀で外科系なら手術の上手な医師が教授になるという道が生まれると思います。アメリカではすでに教授はあこがれの仕事で、どの大学の教授になるのも激しい競争があるわけです。

 順天堂大学医学部はよくこういう方向に向いてくれたと思います。日本の先頭を走る大学として将来が見える素晴らしい人たちがおられる大学なのだなあと感動したという話です。