DOCTOR-NISHINOMIYA-KITAGUCHI

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院長ブログ(西宮北口院)

論文審査委員の仕事

 私自身は現在国際美容外科学会(ISAPS)のAesthetic Plastic Surgery という医学誌と、韓国美容外科学会(KSAPS)のArchive of Plastic Surgeryという医学誌、さらにアメリカ美容外科学会(ASAPS)のAesthetic Surgery Journal という医学誌の合計3つの医学誌の論文審査委員をしています。

医学論文というのは新しく開発した手術や治療方法を発表したり、珍しい病気の治療経験を報告したり、医学上のかなり重要な発見をしたり、医学の発展の上で重要と思えるような研究成果を発表する場ということになります。

ノーベル賞などでもお分かりになると思いますが、同じような研究をされている医師にとってはだれが一番先に論文として発表するかという激しい競争があるわけです。ノーベル賞を受賞された京大の本庶教授や山中教授なども研究結果が出た時にはかなり急いで医学論文を書いて、投稿したという話をされていました。同じような研究をしている医師が世界中にとても多いので、一番最初にだれが論文として公表したかということが歴史に残ることになり、評価もその人に与えられることになります。同じ論文であっても二人目に出した論文は採用されずに論文としての発表を拒否されることになるわけです。

医学誌によって一つの論文の審査に何人の審査委員が担当することになるかというのは医学誌の編集長の決定によるわけですが、通常一つの投稿論文について3人から7人くらいの論文審査委員が担当しています。最終決定はこれらの複数の審査委員の意見をもとにして編集長、医学誌によっては複数の編集委員会の委員が決定しています。

またすでにお話ししたように誰が一番に論文として公表したかということも重要な問題になるので、論文審査は早く終了する必要があります。審査論文が送られてきた審査委員たちはその日から2週間以内に詳しく論文を読んで、受諾か拒否か部分的に書き直しや不明点についてさらに説明を求めるなどの指示を出して意見を返送する必要があります。

またその際に著者に対するコメントと編集長に対するコメントをかなり詳しく書いて返送する必要があります。医学誌に掲載するレベルに達していないとか、論文として誤りがあるなどは掲載拒否と回答することになります。また論文の分かりにくい部位などはさらに著者に詳しい説明を求めたり、賛成できない部分とか、論文の掲載を拒否する場合にもその理由など、もうかなりたくさんのことを書いて返送する必要があるわけです。

このように審査論文が送られてくるとかなり忙しい日々になってしまうわけです。これってなかなか大変なんですよ。責任もありますしねえ。またこの仕事は給与はなく、必ずボランティアとして世界中でおこなわれています。医学の発展のためということです。医学誌にはこれらの論文審査委員の名前が載っていますので、名誉職というわけです。その分野では世界の権威や名医ということでなければ論文の審査委員として招待されることがないからです。

忙しいことになりますが、自分にとっても勉強になることなので、この仕事は頑張って続けているわけです。大体平均で1か月に2-4編の論文の審査を担当していますので、いつも気の休まることのない人生になっています。ついついお酒にたよってしまうのはわかっていただけますかねえ?