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院長ブログ(西宮北口院)

村上春樹の夏帆を読んでしまいました

 村上春樹の新刊の夏帆を読み終わりました。すごい勢いの売り上げということなので、すでに読まれた方も多いのかもしれません。話の中にアリクイの夫婦が出てきたり、白アリの女王、ブラジルのジャガーなどが次々出てくるので、なんとなく絵本を読んでいるような感覚になってしまいました。

 話は母がシロアリの女王に乗っ取られて、人格が変わってしまい、彼女の中にいるシロアリの女王を刺し殺すことで母を救うというストーリーなのですが、なんとなく絵本のような感覚になってしまった私としては、多少今回の作品は出力不足という感じになってしまいました。

 たとえば三島由紀夫の豊饒の海などのように作品を一貫して貫いた圧倒的な美しさを感じることもありませんでしたし、山崎豊子の二つの祖国とか大地の子とか沈まぬ太陽などのように戦争を絶対に許さないとか、世の中にある正しくない行いに対して全力で戦え!みたいな強い力を感じる作品というわけではありませんでした。

 でもなんとなく彼の言いたかったことは、よく村上春樹が言っているように「入ってきたものは出ていかなければならない」さらに今回の夏帆という作品では「出て行ったものがもとに帰ろうとするのであれば、出て行った通路を必死で探さなければならない」でもやっとのことで元にもどれたとしても、結局最後は出ていくことになるのだという話だったような気がしました。この本を読まれた方はどんな感じでしたか?なんとなく読んだ後には、村上春樹は自分が出ていくという情景を見つめだしたのかなあという気がしたのですが、、、。